WHOによると現在、うつ病患者は3億5千万人
2030年には世界で一番多い病気になるだろうと発表しております。
フランスでは年間300万人がうつ病を発症するとのこと。
途上国にはほとんど無く、先進国に流行る病気だと言われております。
「幸せ」って何だろう?と考えてしまいますが、、
2013年の春、アチーバスが広がり始めた頃のことです。
ある精神を患っている人が、アチーバスを心から楽しんでいました。
しかし当時、アチーバストレーナーには医療的な背景、専門的な知識がなく
まわりから理解できない言動にどう対応してよいのか、わかりませんでした。
ある日、1人の看護婦さんがアチーバスに出逢いました。
その看護士は国会議事堂前で演説をするほど積極的で、何度も新聞にとりあげられる活動家でした。
彼女はアチーバスに感動し、「うつで苦しむ人を救おう!」とアチーバスセラピープロジェクトを始めたのです。
松村医師はNPO法人うつ支援ネットワーク理事長、大東流合気柔術「壱風館」 代表であり、うつの症状に対して不必要な薬の投与を警鐘乱打されておりました。
様々な課題が浮き彫りになってきました。
・この分野における医師は圧倒的に不足している、ということ。
・薬を使わない認知行動療法は保険適用が認められたにも関わらず、時間効率が悪く
治療院経営とバランスがとれない事実。
・「新型うつ」に対し、1000人の医師のアンケートで23%が
「精神科医が治療すべきではない」と答えている事実。
松村医師によると、従来のうつ病と新型うつ病の違いは、従来のうつ病が「自責」的傾向
つまり自分を責める傾向にあるのに対し、新型うつ病は「他責」的傾向、つまり自分の外に矢が向いているとのこと。
日本人はストレスに世界一弱いと言われております。
しかしこのストレスに対する耐性は個人差要因によるところが多く、後天的に改善することができるということ。 それには様々なアプローチがあるのですが、アチーバスは、教育的、意識変革的な効果により、対人関係におけるストレスに強くなる可能性があると賛同して頂きました。
対人関係やコミュニケーションにおけるストレスは、「相手を助けなければならない」と無理をしたり、助けてもらいたいために不安になり非建設的行動に出たりすることが多いと言われます。
アチーバスの中では「助ける場面」と「助けられる場面」があり、それによって自信と謙虚さが両方身につき、“自立と共存”の在り方を知り、ストレスの無いコミュニケーションに目覚めることができます。
このプロジェクトはまだ臨床中で、うつ病を治すものではありません。
しかしクライアントの他者に対する恐怖をやわらげ、コミュニケーション能力を取り戻すことで、リハビリの一環になることや、企業のメンタルヘルスプログラムとして効果的であることがわかってきました。
現在、就労支援施設のプログラムとして取り入れている2つの施設の事例をご紹介します。
サービス管理責任者・学校心理士 西野 夏枝 氏
■SAKURA新宿センター
http://socat.jp/sakurashinjuku/
SAKURA新宿センターは就労移行支援事業所という福祉サービスの1つ。
様々な障がいを持つ方が通所し、2年間の中で就労を目指しています。
私達のセンターでは技術や資格と同じくらい大切なこととして「コミュニケーション力」は欠かせないと考えています。それは目指すゴールが就職先を決めることではなく、働き続けることであるから。
その為には、どんな場面でも『自分の気持ちを伝えること・相手の気持ちを慮ること・自分も相手も無理をせずに折り合いがつけられること』がとても強みになります。しかし、この力は1人では身につきません。この力をつけるためには、沢山の人と協力する経験が必要。だからこそ、センターでも、「みんなと課題に取り組む」「誰かと一緒に話し合いをする」といった、自分と他者とで取り組む中での工夫や気遣い、成功や失敗の結果の共有を、安心できる環境で重ねられるようなカリキュラムを多く設定しています。
その中の1つとして、月に一度のアチーバスに取り組んでいます。
自分ではなく「私達」を自然に意識して楽しく取り組める時間として、メンバーは心待ちにしている様です。
「アチーバス」の大きな声が、また来月もセンターでは聞こえるでしょう。いつも素敵な時間をありがとうございます。
アチーバスは協力してカードを17枚揃えるゲームです。アチーバスでは、あだ名で呼び合いラフな感じで話せるのでいつもとは違った雰囲気でみんなとゲームを進めます。ルールが分かってきて、みんなで協力すると早くカードを集めて、クリアすることができます。この間は20分で「アチーバス」することができました。半分以上も砂時計が残って、クリアできたことがとても嬉しかったです。みんなで「アチーバス」というと気持ちが良いです。アチーバスをきっかけに仲良くなったり、これまで話したことがない方とも話をすることができて毎回とても楽しみです。
最初のゲームでは達成できずに時間切れになってしまいましたが、2回目では力を合わせてゲームを進めて成功したので、全員で「アチーバス」と叫ぶことができました。このゲームをしたことで、普段とは違うメンバーの様子を見れたことや、沢山話せたことがとても嬉しかったです。改めてSAKURAのメンバーで良かったなと思いました。
代表理事 本田 勝人 氏
■一般社団法人リエンゲージメント
http://reengagement.org/
うつ病など精神疾患を抱える方々への就労移行支援を提供する一般社団法人リエンゲージメントの代表を務める一方、複数の精神科・心療内科の顧問、株式会社低糖良品の経営戦略顧問担当も担うなど精力的に活動を続けている。
過去、日本最大級のカウンセラー養成校、日本最大のカウンセリングルーム、日本で初めての心理業業界団体を創る
リエンゲージメントでは、うつ病を始めとした精神疾患の患者様を対象とし、リワークプログラムの一部として、アチーバスを導入しています。 アチーバスとの出会いは、2013年の11月
アチーバス協会の代表梅村さんからの紹介でした。ちょうど当施設のリワークプログラム内に、レクリエーションとして心理的なゲームを導入したいと考えていたタイミングでしたので、何か運命的なものを感じました。 実際、内容を拝見すると、これは一般的な心理ゲームよりも(うつ病を始めとする精神疾患の患者様へ)有効なゲームだというのが一目でわかりました。
数日後、アチーバスファシリテーター養成講座へ招待いただき、空気感や流れを再確認し、施設のプログラムへの導入を決定。それから1回/週以上行うプログラムとして定着しています。
まず、うつ病を始めとする精神疾患を発症される方は、コミュニケーションをとることが苦手であり、自分の居場所を作ることが苦手といった特徴があります。(日本人全般としても多少ありますが…)そこで、人が自分の居場所を作るには、何が必要なのか?ということを考えていくと、「『自己開示』(他者理解)と『他者貢献』(他者からの貢献受容れ)が必要である」となります。『自己開示』することで、自分のことを知ってもらえている、自分が自分でいられる【安心の場】を作ることができます。 ただし自分のことを伝え、主張するだけではその場に安全に居続けることが困難となります。その時に必要となるのが、その場に居る人たちへの『他者貢献』。この他者への貢献をすることで、周りの人から有用であると認識され【安全の場】を確保することが出来るようになります。【安心で安全である場所】を確保することが、平穏なる自分の居場所を作ることとなるということです。 アチーバスというゲームは、ただゲームを楽しむだけで、それぞれのメンバーが自然とこの【安心で安全の場】を作ることを促進します。
1:まず楽しめるということ。
2:ニックネームで呼び合うこと。
3:カードのやり取りの中心となるリーダー的存在が入れ替わる
そしてその入れ替わる時には手と手を合わせ「バトンタッチ」を行うこと。
4:高得点を狙うには全員が協力して目的を達成する必要があること。
これらの特徴があります。 子供の頃のように楽しむ、そしてニックネームでやり取りすることでの気恥ずかしさによる“高揚感”。ゲームの一環で自然と手と手を合わせることでの“一体感”、17枚のカードをすべてそろえた時の“達成感”チーム全体でそろえた時の更なる“達成感”。
大きな達成感を味わうためにはチームメンバーへ貢献しなくては出来ないため、自然と『他者貢献』をする場を作ることができる(適切なやり取りが生まれるよう、当施設のカウンセラーが調整します)。
ゲーム終了後は、『語リーバス』(17原則を用いた体験のシェア)において、17原則の言葉から導かれる自分の気持ち、自分の意志を表現など、自然と『自己開示』を促すことができるようになっています(適切な自己開示が進むよう、場の空気は当施設のカウンセラーが調整します)。
そして、さらにこの“高揚感”“一体感”“達成感”が強い仲間意識を作り、一人では生み出せないお互いの成長、グループダイナミクスを生みだします。 ※実際の現場では、こういった効果があるため、新規利用者さんが入った際、率先的にアチーバスをプログラムとして導入するようになってきています。 ゲーム内で使われる17原則にも強い力があります
心理学的観点でも、言葉を変えるだけでも、人の行動は変わるという考え方があり、 その前向きな行動を促す言葉を自分の中にあるものと無意識に刷り込み続けるゲーム構造、これがこのアチーバスの肝でもあります。
(ここで語られる内容で利用者さんの状態、方向性見ることができるため、個々の利用者さんに対して次のアプローチを考えることができます。また17原則での声がけを行う、言葉のカード作成など、他の関わりでも活用しています) ※実際、当施設利用者さん達は、アチーバスを行った後、通常会話の中でも17原則の言葉が見られ、気持ちも行動も前向きになっています。
山田 ヴァユ 氏
アチーバスセラピー担当
毎回チームで就労支援施設に伺う度に、安心・安全な中で、みんなで楽しくアチーバスを達成していけることを心がけています。
人の目を見るのが苦手、コミュニケーションが苦手という方も、笑顔で楽しんで参加して頂いたり、参加者同士のコミュニケーションやチームワークが、自然に深まっていくのを見ていると、心が暖かくなります。
就職が決まった方々からも、「自分から率先して取り組みたい」「前向きに一歩をすすめていきたい」「相手を意識して何か手伝うことがないか、声をかけたい」といった感想を頂き、思いやりのあるリーダーシップ(=思いやリーダー)が自然に身についているのを実感し、繰り返し体験することの大切さを感じています。
これからも多くの就労支援施設で、たくさんの方々にご参加頂き
アチーバスの体験を、就職してからもぜひ生かして頂けたらと持っています。
←アチーバスセラピー開発チーム
ボランティアで多くの人が関わっております。
アチーバスジャパン株式会社 ACHIEVUS JAPANCo., Ltd.
〒107-0062 東京都港区南青山2-2-15 Win AoyamaビルUCF9階